ラボラトリー方式(メソッド)による体験学習の特徴 その2

③学習者に期待される態度

主体的な学習で、体験は他者のものでなく学習者自身のものです。「いま、ここ」に学習者がいることから学ぶ、リアルな学習です。自分、他者、グループあるいは相互関係で起こっていることが学習の素材となります。また、学習に参加する者がお互いに助け合うことにより、その学びが深くなる協働の学習です。更に、創造的に試みる学習です。新しい自分を発見し、可能性を見つけ出すためには、これまでの枠にとらわれず、新しい状況に挑戦することが期待されています。体験から導き出された仮説は、試行されることによって、はじめて意味を持ちます(星野,1992)。

④体験と理論の統合

体験を強調し過ぎるために、理論を横に置いてしまうきらいがありますか、学習者が体験したことを現実の世界に活かすためには、体験が明確に理論化する必要があります。そのためには、文献や資料などを十分に活用し体験を理論化した学習者にそった小講義は、そのために有効な方法です(星野,1992)。

大切にしているキーワードは”CHANG(変化すること)”です。変化することは、成長することであり、変化なしには成長は考えられません。体験学習の様々なプログラムを通して起こる気づきが成長につながっていきます。その根底にあるフィロソフィーは人間愛であり、学習の場でいつも問われることは、学習者を信頼することです。人間を信頼することは、そのまま人間愛に通じると言えます(星野,2001)。

※参考文献

・星野 欣生 1992 「体験から学ぶということ~体験学習の循環過程~」 人間関係トレーニング~私を育てる教育への人間学的アプローチ

・星野 欣生 2001体験学習はアートである~5つの視点 人間関係研究 創刊