自分で気づいていない気持ち

先日、職場の同僚と話をしていました。

彼女は、「昨日、(同じ部署の)Iさんに誘われて、〇×ダイニングのカレーを食べに行ったんだけど、駅で待ち合わせた時から食べて別れるまで、ずっと、いちいちが合わなくて、もう、つっかれちゃった」と言うのです。いちいちとは、彼女が階段を降りようとすると、Iさんはエスカレーターを使おうとするといったような事柄だそうで、そのようなことが何度となくあって、くたびれたそうなのです。彼女は、「今後誘われても、もう二度と一緒には行きたくない」とまで感じたそうです。

そして、数時間経ってから、再び彼女が、聞いてほしい話があると言ってきました。それは、「私、Iさんに申し訳ないような気がしてならない」と言い出したのです。『どんなことが?』と聞き返さずにいられませんでした。1分ほど考えた後の彼女の返事は「わからない」でした。そして再び時間をおいて、思いついたように「私でいいのかしらって思っちゃうの。」と言いました。

一体どういうことが起きているのかと困惑して、返す言葉が見つからず、沈黙の時間がありました。

すると、再び口を開いた彼女から出た言葉は、「私、友達が欲しいの。」というものでした。

この後は、かなりスムースに彼女から言葉が溢れました。「Iさんの周りには、AさんとかBさんとか(同じ部署の女性)だっているに、なぜ私を誘ったのかと思う。」「AさんやBさんは、はきはきしているし、喋っていて楽しい。それに比べて私は、のろまだし、頼りないし、優柔不断だし、楽しいお喋りもできないし。Iさんは、きっと、『本当はほかの人と行きたかったけれど、まぁ、私でもいいか』と思ったんじゃないかと思ってしまう。」と言うのです。

そうか、私『でも』いい、ではなくて、私『が』いい、と思って欲しかったんだ!

そして、そう思ってくれる友達が欲しい、というところに結び付いたんだ!と、腑に落ちました。

何かと合わなくて疲れてしまい、二度と一緒にご飯を食べに行きたくないと思ったIさんに対して、突然、申し訳ないという気持ちが沸き起こり、自分をへりくだる立場に置く。それは、自分を余りに卑下していて、自信がないことを表す言葉の羅列。そんな彼女には、友達がほしい!という願望が、根底にあったようです。

答えは自分自身が持っているものなんだと、改めて感じる一幕でした。

Iさんとの関係を明確にする? 自分に自信をもつ? 友達をつくる? 今度、彼女はどういった選択をするかしら・・・と思いながら、後ろ姿を見送りました。