趣味 ホンの一時

最近、時間に攻められている感じが強い。

以前は、好きな作家の宮城谷昌光さんの新刊本が出た時には、直ぐに買って、寝ることも忘れて読んでいたのが、最近はその気になれない(疲れている…のか)。視点を変えれば、楽しみをたくわえているとも言える(そう考えたいと思っている)。

そう思ったので、「歴史のしずく」(中央公論新社)を引っ張り出して、ちょっとだけ眺めてみると「P261の美徳」が目に飛び込んできた。

美徳

「上善(じょうぜん)は水の若し(ごとし)」

と老子は言う。最上の美徳とは水のようなもので、水は万物をうるおしながら万物と争うことをしない。しかも水は人のいやがる低地へ流れ込む。

人のためになり、人と争わず、人にへりくだる。人格をみがくということは、水をみならうことである。猗房(いぼう)はくりかえし自分にいいきかせた。 周りの喧騒から離れて、ちょっと、ほっとする。そんな「時」をもう少し長く感じていたい。