近所同士のかかわり

子供の頃、私の実家があった地域では、こんな「近所同士のかかわり」が当たり前のように行われていました。雨が降り出すと、「外に干してある洗濯物を取り込みあう」というものです。その当時は、集合住宅がそう多くなく、ほとんどの家々は、単独の一戸建てで、大小にかかわらず庭があり、そこに洗濯物を干していました。

雲行きが怪しくなると、近所のどこからともなく、「雨ふりそうですよ~」という響き渡る声が聞こえてきて、号令のようなその声を合図に、あちこちに家では、慌てて、洗濯物を取込み始めるのです。

とうとう雨が降り出してしまうと、今度は、気づいていないお宅の庭にずけずけと入りこみ、勝手に取り込んで差し上げ、更には、畳んで差し上げることまでして、留守のお宅の住人が帰宅されると、「とりこんでおきました」と渡しにいったものです。

大きなお世話です、とか、庭に入らないでください、などと言われるんじゃないかと考えたこともありませんでした、言われたこともありませんでした。

我が家も、お世話したことも、お世話になったこともあります。

このようなやりとりが、今も行われている地域はあると思います。

行うことに、良し悪しの議論も多々あると思います。

ただ、こうした近所同士のかかわりあいがあったことを思い出して、懐かしく温かな気持ちになりました。

豆知識

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