他者の物事の捉え方に驚いたこと
認知行動療法では、物事の捉え方によって、感情が影響を受けると言われています。
例えば、私の身近でごく最近あった話です。
友人のOさんが、昨日あった出来事を話してくれました。「私はこの頃ほとんどスーパーMで買い物をしているのだけど、昨日久しぶりにスーパーBに行って、ヨーグルトを1つ買った。家に帰ってきてレシートを見たら2つ分請求されて支払ってしまっていたことに気づいた。お友達のKさんに言ったら、スーパーBに一緒に行ってくれて、1ケ分返してもらった。」Oさんは、この件で、「スーパーBに行ったのは久しぶりだったため、店員が嫌がらせしたに決まっている」と言うのです。そして、「たまにしか行かないから、スーパーBにとって、私はどうでも良い客であり、だから店員も感じ悪い」などと、プンプンしながら一歩も譲らないのです。
話を聞いた私は、Oさんの意見にびっくりしてしまいました。そして、レジうちも人のやることなので、誤りは起きてしかるべきことなので、買い物客の多くが、レジを終えた後、誤りがないかとレシートをしっかりチェックしているのをよく見かけると伝えました。また、間違った支払いをしたことを言いに行ったことは、スーパーBにとってもありがたいことだったに違いない。なぜなら、スーパーの収支が合わなくて困ったであろうこと、今後間違いを起こさないように注意するようになれること、大切なお客様にお詫びを述べる機会を得られたことなどを挙げました。
今度は、Oさんがびっくりしたような顔をしました。
Oさんにとっては、スーパーの店員さんのレジ打ち間違いされたのも、返金を求めたのも、初めての体験だったようです。そして、間違えられたことは、嫌がらせをされているに違いない!と決めてかかっていたのです。また、返金を求めに行くことは、恥ずべきことであり、そのようなことはするべきではないものと思い込んでいたようです。
そして、翌日、再びスーパーBに買い物に行ったOさんは、店員さんから「昨日はどうも申し訳ありませんでした」と丁寧に詫びられたそうで、それに接したOさんは、「この一件で、空気が良い方向へ動いた」と嬉しそうで満足気でした。
Oさんの思考も、少し柔軟さを帯びる方向へ動いたように思っています。
このように、思考が柔軟になると、物事の捉え方の幅が広がると言われています。そして、否定的な感情が肯定的な感情へと変わっていき、ストレスも緩和されていきます。